サックス教室

サックスプレーヤーであり、フルート奏者でもある(KOSE)こと菊地康正の公式ホームページにようこそ。音楽を楽しみたい方のためにサックス道場、フルート道場も主催しています。



韓国、コンサートクリニック道中記


新韓国道中記を読む。

その

このページは、菊地康正が'98年8/20-25の間クリニックとコンサートが目的で訪問した韓国の道中記続編である。青い字は写真またはページががリンクされていますのでクリックしてご覧下さい。

平成10年8月20日午後4時

私は大韓民国金浦空港に到着した。成田

からほんの2時間の旅である。数年前は全

国を仕事で飛び回っていたのに比べたらとて

も近い。

が、初めての韓国である。期待と不安が胸をよぎる。空港では、私を招聘して

くれた仁川(インチョン)音楽院の院長キム・ビヨンス氏が出迎えてくれている。

いきなりかわいい女の子(パク・ソンジュちゃん7才)と体格の良い男の子(ウ

ー・スンヨン君10才)
が韓国へようこそと花束を手渡してくれる。彼らにとって

私は言葉の通じない外国人だからとっても照れているのがわかる。パク・ソン

ジュちゃんの黄色の韓国風ドレスはとても可愛い。キム・ビヨンス氏が僕の恋

人といっているのもわかる気がする。
 
なぜ私は韓国へ行くことになったんだろうか。

それは私の書いた本のお陰である。ここでもはや私の友人でもあるキム・ビヨ

ンス氏について触れておこう。

彼は在日の韓国人二世で、大阪は岸和田育ち、日本の大学を出た後家業の

幼稚園経営を手伝ったりイベントプロデューサーとして活躍した後、数年前に

韓国へ渡り、音楽学校経営に参加、また本業のイベントプロデューサーとして

も活動しておられる。

sax、fluteの方は大学時代にキャバレーなどで演奏活動を開始したが、ある理

由で断念しているそうだ。現在は仁川(インチョン)音楽院で指導をする関係

でまた再開している。指導に使うためのいろいろな指導書に当たっている内

に、私の2冊の本に出会い、霊感を感じたそうだ。私の教室のレッスンにも何

度か見えている。

私の著書の価値を認めて下さり、是非韓国語翻訳版をということで話を進め

てくれてもいる。実現したら素晴らしいと思うし、さらに英語でインターナショナ

ル版もできれば出せたら素晴らしいだろう。とかく日本にいると西欧にばかり

眼が行きがちだが、アジアの文化も育てて行く、また共に学んで行くという視

点が有っても良いと思 うのだ。

また後でも触れるが学院では実に私の教え方を忠実に守って指導しているの

にはびっくりした。教材の曲は同じもの、教え方は菊地康正方式、なんとこれ

では私の教室の韓国支店ではないかといった感じで、嬉しいやら照れくさい

やらであった。学院ではその本の著者が自ら指導しにいらっしゃるということ

で当日は非常に暖かく歓迎していただいたのだった。
 
 さて、学院は、あるビルの2階を借り切

っているのだが、半分はナイトクラブのよ

うになっていて以前は店として営業してい

たそうだ。半分は小さな練習スタジオが数

室あって環境は申し分無い。そのクラブ、現在はスタジオになっているところ

だが、そこに20数名の生徒が集まっての歓迎パーティである。

高校生から年輩の方まで、また女性も多かった。一人一人紹介してくれるの

だが、韓国語に慣れないせいか名前が全然覚えられない。皆同じに聞こえる

のだ。私も飛行機の中で暗記した韓国語の自己紹介を試みるが、通じてはい

るのだがふーん?という反応。やはりこれは音で自己紹介しなくてはと、楽器

を出して早速演奏した。


曲目は、”バードランドの子守歌”をsaxで、自作曲”春のサンバ”をfluteで持参

したDat(デジタルオーディオ)プレーヤーで伴奏を流しながら熱演。また”

Body and soul"を独奏。ここで拍手が来てようやく少しほぐれて来た。

中には英語の勉強をしていて少し話せる人や、少しだけ日本語のできる人が

いて助かったが、もっぱら キム・ビヨンス氏 の通訳が頼りだった。少しくらい

は韓国語の勉強が必要と思った。(写真中央がキム・ビヨンス氏)

 その後、早速レッスン開始、sax7,8人に呼吸法、Fat lipの考え方、MP(マ

ウスピース)の抜き差し、口中の発音 (A,O,U,I,E etc)  などを解説し指導し

ていく。 キムさんが元々私のやり方に賛同して基礎的なものをしっかり教えて

いられるので非常にやりやすい。

ある高校生の子など”If I should lose you"(play the Alto~)の私の歌い方まで

そっくりまねているのには舌を巻いた。彼は特別耳がいいので、キム氏が教

材はテープしか渡さずに耳で取らせたらしい。やはりそれが最高の方法であ

ることを再確認した。

生徒のカン・フィグ 君の奏法のレッスンその1,その2,その3。


また、私の場合、なぜ口中の発

音を変えるのか、MPの深さを

変えるのかをちゃんと理由を添

えて説明するのでみな納得して

くれているのがわかる。

後で聞いた話だが、キム先生の普段教えていたことは皆、実は本当の事だっ

たんだという驚きが皆の中を駆けめぐっていたそうである。

10年前の事になるが、実は1冊目を出すときに奏法上の事及び音楽上の事

は自分なりに経験から絶対の自信を持って覚悟して出している。

つまり、同業者からの反論、批判がごうごうと来るものとの覚悟であったのだ

が、実はそれは、直接は何も無かったのだ。無視されたのでは?とも思った

のだが、#&♭(日本を代表するBig Band)の鈴木さん始めいろいろな人が

読んでくれているのを後で知った。

あとはTbの中路くんから、こんなおいしいことまで書いてしまっていいのか?

という声も有ったのだ。何?ここまで書いたらみんなうまくなってしまって仕事

がなくなるってか?そんな事は無いのだよ、中路君。知識は公開していく方が

発展して最終的には勝つのだよ。もう出来上がってしまっている人は無視して

下さって結構、それよりも私の本の読者は、初心者、これからプロになろうと

いう開発途上の人たちであり、その力になれたとしたらこれに勝る喜びはな

い。

自分の勉強してきた過程を振り返ってもこんなエッセンスのような本が有った

らと思って作ったのだから。だから、またこんな形で、近そうで遠い国韓国でも

私のノウハウを広められるのは驚きでもあり喜びでもあったのだ。

さて、2日目、3日目、4日目と、延々とレッスンしていくのだが、 


3日目からは初心者ではなく、プロ志向の若者、プロのリズムセクションのレッ
スン
である。
キム・ビヨンス氏から聞いてはいたが、やはり韓国はjazzに関しては日本に比

べるとまだ歴史が浅い、だがSax Machinesならぬ5saxのグループのリズム隊

の面々はまだ皆20才台から30才代前半、やる気満々だが、音を聞いてみる

と日本で言うと大学生クラス、早速、"Straight No Chaser"(Jazz Blues)で共演

を試みる、まず、ドラムとベースのコンビネーションが悪い。


若いベーシストにまずコードを暗記するようにアドバイス、ブルースは譜面を

見て弾くもんじゃあないぜ!一方、ドラマー氏はスリム型のハンサムボーイだ

、韓国では最高といわれる先生の弟子だけあって基礎的なテクは有るようだ

が、ハイハットのタイミングは少し甘いようだ。

要するに少し軽い、先へ行ってしまうタイプなんだ。若いベーシストにまずコー

ドを暗記させたら、ドラマーと目を見合わせて演奏するように指示、ドラマーに

はハイハットで極力ためを利かして、走らないようにし、ベーシストはドラマー

のシンバルレガートよりほんの1瞬だけ早く弾くように指示、これでバンドのド

ライブ感が生まれると良いのだが・・・・練習の結果だいぶましになってきた。

次はピアノ、ギターの面々である。男性のピアニスト氏と、女性の ピアニスト

が交代で弾いてくれたがまず、やはり皆の音をよく聞くことを指示する。コード

は弾けるのだが、8分音符が何か違うぞ!?

解った、いわゆる縦乗りというやつで、タッカタッカいってしまって、これは

swing じゃあないぞ!!これは一日で教えるのは無理ということで、ターンバ

ックといって8小節や曲の終わりで合いの手を入れるやり方や、エンディング

のやり方を指導する、彼を私に何ヶ月か預けてくれたら、swingするピアニスト

にそだてるんだがなあ・・・時間がないので残念。


 また別の日に今度はこの学校の blues gtの講師・カン・キュンユン君とピア

ノでお相手をした。
なかなかいいfeelingのギターなのだが、まずtunning に時

間が掛かりすぎる。どこかプロとして鍛えてくれるバンドで修行したら伸びる

のになあという印象。素質だけ有っても、伸びるべき環境が無いと才能は伸

びないのだ。改めて自分が育ってきた日本の音楽界の有り難さが身にしみる

思い。また我々の先輩たちのお陰で我々があると再確認した。たまにそうい

うことを思い出すために時々外国へ行くのもいいことかも知れない。

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