サックスプレーヤーフルート奏者菊地康正

サックスプレーヤーであり、フルート奏者でもある(KOSE)こと菊地康正の公式ホームページにようこそ。音楽を楽しみたい方のためにサックス道場、フルート道場も主催しています。

菊地康正のサックス入門  vol.6


1.ジャズ奏法の基本
There's no greater love
There's no greater love
の注意点
菊地康正のサックス入門  vol.7


今日は菊地です。 サックス超入門の第6回目最終回です。今回は前回に引き続き、アドリブ(即興演奏)に挑戦その3です。でもアドリブと言うことは、通常はコード進行に則ってメロディを作曲していくという作業ですから、そのための知識、膨大な練習が必要なのは言うまでもありません。それを誌上でどこまでやるのかと言うことになりますが、今回は理論的なことは触れず、すでに作られた楽譜をいかに吹くかということに主眼を置いていきます。

1.ジャズ奏法の基本

 さて今回は、ジャズのスタンダードで、「There 's no greater love」に取り組んで見ることにします。前回と同様に、ある程度の基本的な演奏力はあるという前提で話を進めていきます。ある程度の基本的な演奏力とは、正しい呼吸法、正しいアンブシュア、正しいタンギングで、簡単なキーの音階、分散和音が吹ける…というレベルを想定しています。前々回までに、呼吸法、ファットリップ奏法、そしてアーティキュレイションの付け方については研究していますので、詳しくはバックナンバー、もしくは同じ内容を私のWebで勉強してください。

中でもタンギング、それもスタッカート(短く切る)と裏打ちについては、重要なので確認しておくことにしましょう。今まで学んだことで、音を出すにあたって大事なことは3つあると思います。それは音の出だし、伸びている間の音の質、そして終わり方…です。美しいはっきりした音の出だしには正しいタンギングが欠かせません。一般的にタンギングの正しい位置は次のようなものでしょう。舌の先端よりほんの少し(2、3ミリ上)でリードの先端に触れるというものです。いけないといわれているのはリードの先端ではなく面で触ることです。またリード以外にマウスピースに同時に触るのも感心しません。実際に音を出す時の注意点としては、リードから舌を離すタイミングと同時に息を入れるのでは余計なアタックがついてしまうので、あらかじめ舌はリードに触れておき、腹に圧力をかけてはワンクッションおいてからtu- またはdu- と発音するつもりで、舌を素早く後に引くように注意して練習してみて下さい。

さて問題はスタッカートですね?まず確認しておきたいのは呼吸法の問題ですが、スタッカートの一発ずつに腹に力を入れるのは絶対にやめましょう。ロングトーンに比べるとより緊張した状態でお中にはずっと力を入れておきます。舌の動きだけでスタッカートを作らなければいけません。
ジャズ吹きの基本である裏打ちですが、八分音符の連続を、「タタラタラタラタ・・・」という風に演奏します。またそのバリエーションとして、1.タタラタ、2.タラタタ・・というパターンがあります。


実際の演奏面に付いて考えて見ます。練習する手順は前回同様に、

@ドレミで音程をつけてこの曲をまず歌ってみます。

Aよどみなく歌えたら、今度は楽器をもって指をつけながら歌ってみます。ドレミと指が合っているかどうかようく確認してください。

Bドレミと指がぴったり一致したら、楽器を吹き始めます。

C最初はアーティキュレイションは気にしなくていいですが、その通りの音をきちんと吹けるようになったら、スタッカート、テヌートなどのアーティキュレイションを正確につけるように練習しましょう。
今月は8分音符のウラ打ちという技法が出てきますが、これを上手にやると本当にジャズに聞こえてくるから不思議です。


「There's no greater love」ですが、これも良くジャムセッションで演奏されます。コード進行がとてもアドリブしやすいのですね?私の著書「Play the jazz sax」の方にも難しい方のバージョンが載っていますので参考にどうぞ。この楽譜はBb テナーサックス、ソプラノサックス用です。Dの直前のフレーズなどは前述の裏打ちの練習そのものですね。8分音符のアーティキュレイションのほかに、四分音符のいろいろなアーティキュレイションがでてきます。スタッカート、テヌート、そしてその組み合わせなどです。注意深く練習してみてください。




There's no greater love,アーティキュレイション上の注意。

@のように、一拍目にある強拍を半拍先取りしたものを、アンティシペーションと言います。必ずタンギングするようにしてください。
A,Bは、スタッカートとテヌートの組み合わせになります。
Cはおなじみの裏打ちのタンギングですね。DとEは、「タラタタ」と「タタラタ」の組み合わせです。F、LL、Mも、スタッカートとテヌートの組み合わせです。G、Kは機械的に裏打ち。Hは、スタッカート。IとJも「タラタタ」と「タタラタ」の組み合わせです。

今回の講座の内容は、ガクンとレベルが上っていて練習が大変かと思いますが、頑張ってやってみましょう。 この講座の内容についてさらに詳しく知りたい方は私の著書、”Play the Alto sax、Play the jazz sax”(中央アート出版社刊)をご覧下さい。

参考文献(いずれもCDブックです):play-a-long series vol.54 /Jamey Aebersold jazz inc/Jamey Aebersold 、Play the alto sax、Play the jazz sax/中央アート社刊/菊地康正著