サックス教室

サックスプレーヤーであり、フルート奏者でもある(KOSE)こと菊地康正の公式ホームページにようこそ。音楽を楽しみたい方のためにサックス道場、フルート道場も主催しています。




Kose's old essei 1


 97年の8月のある日、私はLive By The Sea というコンサートに出かけまし

た。その日の出演者は、マイケル・ブレッカー(ts)グループ、メンバーは超豪華

な、ジャック・ディジョネット(ds)、パット・メセニー(gt)などきら星のような人たち、

それにデイブ・リーブマン、ジョシュア・レッドマン、ジョージ、ガーゾーンなどすべ

てtsです。音響の悪さを除けば、とても素晴らしいコンサートでした。

皆さんのためにこの素晴らしいsax吹きの巨匠達を恐れ多くもかしこくも、自分

の実力も省みず寸評してみたいと思います。

1.マイケル・ブレッカー(Michael Brecker)・・・もうかれこれ20年以上も聴き続け

ている事になるだろうか?Dreamsの20才のブレッカーを聴いたときは今と同じく

らいうまいと思ったね?音はもっと野太い音だったけど、ブレッカー・ブラザース

の、Night flight、Some Skunk Funk、なんかよく聴いたし、バンドでもコピーし

た。Rollinsや、Coltraneを研究していた私には、新しい時代が来たと言う衝撃が

あった。

 また、私はアルトでサンボーンの耳コピーをやってた時期があって、(何?信じ

られないって?今度やって見せましょう ! )そのお陰でブレッカーのtsにおける歌

い方は サンボーンのアルトにおける歌い方をテナーに移し替えたものだという

ことがよく理解できた。もし好きか嫌いかと言われれば、決して好きな人ではな

いのだが(もちろん演奏の事であって人間的にどうこうと言うのでは無い)、やは

りうまい人なので影響は受けていると思う。(考えてみれば、彼のコピー集もさん

ざん練習したのだから、当たり前か?)

その日の彼は、何か知っているフレーズばかりで・・・、長年聴き続けて来てるせ

いもあるのだが、ものすごくうまいのだけど、何かもう少し新鮮味が欲しかった。

何を吹くのか先が読めてしまうのである。逆にパット・メセニーのハートにあふれ

たプレイが光る結果となった。こう書くと聴き手というのは残酷なものだなあと思

う。  (冷や汗・・・自分もそうやって聞かれている??)もともと彼はどちらかと

いうと感覚的にひらめきでやるタイプではなく、地道な修練の結果としてのスー

パーテクニシャンという人なので(私にはそう聞こえる)、そういう期待は他の人に

向ければいいのかも知れない。           

2.次にデイブ・リーブマンこの人も元Miles Davisのもとにいた人でColtrane派の

優秀なSax奏者である。特にアウトサイドなフレージング(調性を外れるか外れな

いかのギリギリのところで演奏するスタイル、しかし無調では無い)を得意とする

人で、だいぶ以前にクリニックを受けた事があり、彼のピアノをバックにグロス

マン・フレーズを吹きまくった事がある(今考えると冷や汗・・・・)。デイブ・リーブ

マンはピアノもプロ級だった。彼のこの日の演奏は、すこぶる好調で、私の周り

の知り合いにも一番受けが良かったようだ。私の印象は指があまりにも早く回り

すぎて吹いている音を頭の中で追いかけられず、そこが少し不満だった。


3.デイブと一緒に一緒に吹いていたジョージ・ガーゾーン、この人はずっと教職

にあって、優秀な人材を送り出して来た人らしいが、私はなかなか気に入っても

う一人のSax奏者ジョシュア・レッドマンのものと2枚のCDを購入した。ガーゾー

ンは、リーブマンと対照的にどんなに激しく吹いても常に自分をクールに醒めた

目で見ている事を感じさせる人、全くタイプは違うがアーチー・シェップなどもそう

いうところがあって、それがとても現代的なので私は好きなのである。本人は大

のスタン・ゲッツ・フリークらしいが、私の耳には S.グロスマンばりの白人系モ

ダンなスタイルの人という感じを持った。   

4.さてジョシュア・レッドマンである。この人は父を、あのキース・ジャレットや、オ

ーネット・コールマンのバンドで活躍したデューイ・レッドマンにもつ、2世sax吹き

である。ハーバード大学(確か)で弁護士を目指して勉強していたが(何て頭が

いいんだ!)セロニアス・モンク コンクールでたまたま優勝して転向したという

人。彼には悪かったが、当日は少ししか聴けなかったので、CDの印象からいわ

せてもらうと、テクがあるのはわかるが、少しくどい。だが巨大な才能を感じさせ

る人なので今後に期待する。ただし、この人は生(ライブ)が最高である。(遅れ

ていったのが悔やまれる)TVのモントゥルーや、マウント・フジのライブなんか聞

くとゾクゾクするほどいいので・・・・、最後にアキレス腱切断の為に出演出来ず

聴けなかった、ジョー・ロバーノなども同じタイプで、オランダのノースシージャズ

フェス”92でJ.スコフィールドのバンドでやっているのを聞いて、CDがいまいちつ

まらなかったのに反して、ライブのあまりの素晴らしさにぶっ飛んだ記憶がある。

残りのメンバーでは、パット・メセニー、ディジョネットは言わずもがな、ピアノの

ジョーイ・カルデラッゾ、 それにジェフ・キーザーが特に光っていた。

(1997TheWorkshopJazzsax通信講座初級コース)より



Mt.Fuji Jazzフェスで忌野がサックス?
(1996夏)

 今年のマウントフジ・ジャズフェスティバルは横浜は、みなとみらいのパシフイコ

国際会議場で行われた、8月のある日、私は”ポンタ・ボックズ”を聴きにでかけ

た。ポンタこと村上秀一は、自他共に認めろ天才ドラマーであり、その多岐に渡

る活躍ぶりは、皆さんも良くご存じであろう,、最近では村田陽一のソリッドブラス

ヘの参加、自己のアルバム”ポンタ・ポックス”でのアルバムのヒット、モン卜ゥル

ー・ジャズ・フェスヘの参加など話題にか欠かない。

 私も自己のアルバム"Eternal Lover"の録音、それにあの矢沢永吉ツァー3ヶ

月間同行して、その破天荒に見えて繊細な人間性、音楽性を間近に見て大いに

薫菊を得た事だった。正直に白状すると、二人の天才(矢沢、村上)から得たもの

で少し消化不良も起こしたのだが・・私の場合は、やはり天才ではない・・という

所から我が道を新く事にしているのである。

 さて その日の演奏は、パーカッショニスト斎藤ノブ率いる”ノブ・ケイン”から始

まった。2ドラム、2キーボー、ギター、ベース、パーカッションという、インスト・

口ックバンドであり音が馬鹿でかいのを除けは、音楽性も高く、曲、アレンジ、演

奏も良く楽しめた。その後、ハデハデの外人ミュージシャンに変装したポンタと若

手ベース、ドラムによるピートルズ・コピー実験バンド、これもなかなか楽しめた

が、良く聴くと、レディー・マドンナやイェローサブマリンといった馴染みの曲を、

変拍子でやっているのには驚いた。一般のお客は気付きもしない事だけど、サラ

リとそれをやって除けるところが心憎い。

 さて本命の”ポンタ・ボックス”は、ピアノ・トリオでのジャズ演奏であり、知的な

興奮だ。そして何といっても止めは、忌野(いまわの)清四郎の登場である。あ

のRCサクセションのボーカリストである。第一声の〜ようこそ、皆さん〜、との歌

いかけで会場の空気を変えてしまった。(今までは一体何だったんだ?しびれる

ぜ!・・・て感じ)細身の薄紫のスーツに、エンジのビニールのクツ、町の少しつっば

った兄ちゃん風のしゃべり方は相変わらずだが、とぼけてカッコイイとでも言おう

か、ギターは弾くわ、度ヘタなサックスは吹くわ、演歌調あり、世相をダジャレま

じりに風刺した歌詞といい、文句なく楽しめたので、これで\4,000は安いと大

満足で家路についた。 結論は音楽はジャンルに関係なくカッコよく楽しけれ

ば良いのだ。


ビッグ・バンドにあらためて感激・・サックスやっててよかった。(1996夏)

 お元気ですか?今回第4月目を作るに当たって1〜3までの教材をざっと目を

通していたところだが、いやはやいやはや初心者用とはいえ、かなり音楽的に

高度な内容なのに改めて応分で唸〈うな)っているところである。クラシック一辺

倒の日本の音楽教育にも問題はあるが、どうか皆さんも投げないでついて来て

欲しいと願うばかりである。

 話は変わって、先月は、カウント=ベイシー&二ューヨークヴォイセスのディナ

ー付きコンサートに行ってきた。カウント=ベイシーはすでに故人だが、バンドは

後継者が伝統を守つて続いているのである。始めて聴いたのが17〜8年前で

ある。スイスのモントルーンャズワェスでこれも残念な事に最近故人となった

エラ=フィッツジェラルドと一緒だったと記憶している。26才の私もそこで演奏

したのである。

 カウント=ベイシ―オーケストラの印象は、伝統と現代性の見事なスパークと

いう感じだった。とにかくカッコイイのである。伝統が見事に現代に生きているの

である。素晴らしいセクションワークとソロ,ハイノートもいかしているトランベット

セクション、それぞれが個性的でありながらふくよかで香り立つアンサンブル

ワークのサックスセクション、わかってはいるのだが、度肝を抜かれるスリリング

なアレンジ(今は誰がやっているのだろうか?)それにゲストのニューヨーク

ヴォイセスのコーラスの素晴らしさといったら・・・・・、もう言葉もない。思わずCD

を買ってしまった。やはり生はレコードの100倍はいいものの様である。

 その次の週には、これも又素晴らしいビッグバンド”クレイトン=ハミルトン

ビッグバンド”を聴きに行った。私は実はこのバンドは知らなくて何の先入観も

持たずに行ったのだかその楽しさと素晴らしさに引き込まれた。良い意味での

上質なエンターテインメント性といったものを感じさせられるのである。本当に

音楽は楽しいし、改めてサックスってカッコイイなあと思って帰って来たのであっ

た。(初心者コース第4月始めのことばより)