サックス教室

サックスプレーヤーであり、フルート奏者でもある(KOSE)こと菊地康正の公式ホームページにようこそ。音楽を楽しみたい方のためにサックス道場、フルート道場も主催しています。




Kose's old essei 3 
音楽について


ジャズの美しさは、倫理的な美しさ
 2003/3/24(月)


 どうしたらアドリブ(即興演奏)が出来るのか?

 アドリブができたらと願っている人の潜在的な人口はすごいものがあると思い

ます。それは、音楽は聞くだけよりも歌ったり演奏する方が何倍も楽しいし、決

められた曲を楽譜をそのまま演奏するより、自分が思った通りのメロディーを、

その場で考えてかっこよく即興演奏できたら、どんなに楽しいだろうということに

、気付いた人がどんどん増えているようです。またどうやったらそんなにアドリブ

できるのだろうという素朴な疑問もあるのでしょう。僕もそうでしたから・・・・ 。



 さて、どうしたらアドリブができるかということは、どうしたら英語はマスターで

きますかという質問によく似ていると思います。我々が日本語を普通に話して、

生活に困らないレベルのみならず、文章を書いたり、日本という国で何不自由

なく生活できるレベルまで日本語を使いこなしているということは、日本に生ま

れ育って、日本語に包まれた環境で育ち、義務教育で国語を勉強し、当用漢字

に2000文字を覚え、作文や論文や会話や文法、いろいろなことを学んできた

からにほかなりません。



 我々は義務教育で英語を6年間学びますが、それで喋れるようになる人はほ

とんどいません。いちばん簡単な方法は、英語に囲まれた環境に身を置くこと

ですね?そういう環境では幼稚園児でもペラペラと英語喋れるわけです。

 ところで言語には文法というものもあり、構文というものもあります。そういう構

造的なものに興味のある人は、文法と構文を覚えて単語をたくさん仕入れて英

作文をして会話をしてみるという方法もあります。じつは僕もそのタイプで、中学

生の時に、国語の教科書にある文法のまとめという部分を3年分ファイルして

研究していたものです。(連体詞とか副詞とか、英語の文法勉強するときにずい

ぶん役に立ちましたよ)




  また僕は、英語は特に好きで、それも構文を覚えて単語を覚えて文章を作る

のが好きだったので、外人を捕まえては練習台にして、知っている限りの単語と

構文で話しかけて練習したものです。渡米したときも、中学高校で勉強しただけ

でしたが、会話には困りませんでした。




 ただ聞き取りは、経験の量がものをいうので、言いたいことは言えるけど、相

手のいっていることがわからないという変な英語使いだったと思います。半年ぐ

らいニューヨークに住んでる間に、頭の中も英語で少し考えられるようになった

ような気がします。日本語と英語では口の中の使う筋肉も違うので、英語がうま

くなった半面日本語が下手になったのを覚えています。

 さて音楽の話題に戻ると、CDやビデオで音楽を勉強するのもいいですが、い

ちばんいいのは一流の演奏家と常に接触して、音楽だけではなくその人間性、

文化まで直接吸収することです。もしジャズを演奏したいのならやはり一度はア

メリカに行ってみることでしょうね?




 僕の場合は、習った師匠に音楽のみならず、常に接触してその人間性を貪欲

に吸収して自分を形成してきた気がします。(サックスでは、渡部洌先生、松本

英彦先生、音楽理論の三木敏悟先生です)僕の経験によると、音楽がクリエイ

ティブ(創造的)な人は、人間の存在そのものもクリエイティブなので、いろいろ

なものごとに対する考え方、感覚も素晴らしいものがあり、それに触発されて自

分の音楽、人間性も磨いていくことができるのです。

 いい先生を見つけるというのは非常に大事なことです。その時に大事なことは

、先生に選ばれてはいけない、自分が納得できる先生を自分で選ばなくてはい

けないということだと思います。




 さて、どうしたらアドリブができるかという具体的な話に戻りたいと思います。

アドリブを勉強するということは、音楽そのものを勉強することだと言えると思い

ます。管楽器奏者には、特に鍵盤、ギターなどの楽器の習得を勧めます。和音

の感覚を習得するにはそういう楽器がどうしても必要です。簡単なスリーコード

程度(C,F,G7など)は、ピアノかギターで弾けるようにしてほしいと思います。

 それから、聴音の能力(音を聞いて、その音の高さを当てる、それも絶対音の

能力は必要ありません。与えられたキーの中でその音がドなのか、ファなのか、

レ#なのかを当てる能力ということです。)、それの発展した形のコード感覚お

よびリズム感などを磨くことですね?もちろん自分の演奏する楽器のマスターは

必要不可欠です。




 私の教室では、まず楽器の基本を学びつつ、長音階上の、3和音4和音を演

奏してその名前を覚えてもらい、12キー上でもそれを演奏し名前を覚え、コード

ネームを言われたらそのコードを吹けるように訓練していきます。(その前にい

ろいろなキーの音階や、3度のパターンなどを練習してもらうのでそこまでで最

低でも1年か2年はかかります)




 素晴らしいジャズ演奏たくさん聞くのももちろんとても大事ですが、それを聞い

て、書きとって譜面にする能力があり、それを練習しているとしても、それを分析

して、自分なりに再構築する能力がなくてはアドリブにはなっていきません。

 それを感覚だけでやるには、チャーリーパーカーのような天才だったらできる

かもしれませんが、普通の人は、音楽理論をきちんと勉強する必要があります

。音楽理論というものは、クラシックの世界で何百年もかけて蓄積されたものを

ジャズでは利用しますので、それを数年でマスターするには、やはりかなりの素

質と勉強が必要ということになります。



2.音感を向上させるには?

さてこうやって書き出してみるとアドリブって実に大変なことですね?ところで、

音階や分散和音、そして曲の練習などを何年もやってもなかなか上達しない人

の場合は、基本的な音感が未発達であるということが考えられます。

 このタイプの人たちは、楽譜を読むことは慣れでできるので、一見音楽を感覚

的に理解しているように聞こえますが、じつはその音程関係を理解していない

場合も多く、少し応用させてみると何もできないのがわかります。こういう人たち

に必要な音感のトレーニングブックを作ったら非常に助けになるだろうことは予

想できます。




 声楽の教科書として使われている「コールユーブンゲン」はとても良くできた音

感のトレーニングブックです。基本的な音、2度、3度、4度…という風に音程感

覚を練習していくのでこのタイプの人はぜひやってみてください。良い指導者に

ついてやるのが理想的ですが・・・




 音程感覚のつぎにコード感覚を付けることが即興演奏には必須ですが、これ

にはピアノかギターでいろいろなコードが弾けるようになるのがいちばんでしょ

う。あとはいろいろな曲を声を出して歌う、最近のカラオケではキーを変える機

能も付いていますので、知っている曲をキーを変えて歌う練習もとてもいいと思

います。

 楽器の場合、いろいろなキーで演奏するのが難しい理由を考えてみると、

1.実際の曲の中の一つ一つの音の高さ。

2.その音の高さにつけた名前(通常はドレミファソラシド、ABCDで考えている

人もいるでしょう、そのキーの1234という風に数字で考えている人もいるでしょう)





3.そしてその音にあたる指使い

・・・この三つが瞬時に連動するように練習するということですね?良く考えてみ

るとこの三つは全く何の関係もないものです。上達の遅い人の場合は、特に1と

2の関連づけが弱い人が多いです。これは楽器をやる以前の問題で、歌を歌っ

たり、音当てゲーム(要するに聴音のことですね?)などをやったりして耳を鍛え

るしてしかありません。これはじつは小学生、または小学校に入る前の時期が

最も上達が見られるのです。

 大人になってからこの感覚を上達させることは、不可能ではありませんが、子

供のような柔らかい頭になったつもりで虚心にやってみることです。音程感覚を

上達させるにはどうしたらいいかということは長年考えているテーマなのですが

、またさらに考えてみたいと思っています。→音感トレーニングメソッド






楽譜を読むと言うこと  
2003/4月25日(金)

 さて、楽譜を読める方が良いのか?という質問だが、楽譜とは何かということ

を考えて見ると、調性や、音階、メロディ、和音などの音の高さに関する情報と

時間に関する情報を、グラフで表したものと言うことが出来るだろう。音楽は、

歌ったり、演奏するのも、時間の流れを通してしか出来ないし、終われば空気

中に消えてしまい、記憶に残るだけ・・なのだが、それを芝居の台本のように、

地図のように、チャートとして、書き表したものだと言える。




 確かに、楽譜を読めた方が、便利だけど、あくまでも便利な記録法なのであっ

て、それに熟達したからといって、頼りすぎてもいけないと思う。よく生徒に、曲

を吹かせて、きれいに譜面通り吹けて、それで終わりだともったいない。見ない

で吹けるようにして、強弱、アーティキュレイションなどいろんな表現を考えて吹

くのが最終的な目標であるべき。ちゃんと譜面が有れば吹けるのに、

1.譜面が無いと一音も吹けない人は、実は譜面を吹いているだけで、心から

音楽音楽やるのとは遠い距離にいると言わざるを得ない。

2.譜面が無いと吹けるのだが、臨時号(#など)が落ちる人は、声を出して12

の半音階を理解し、歌えるようにする必要がある。耳の精度は、5〜7音の音

階にかろうじて対応していると考えられるが、それを12音(半音階)まで拡張す

る必用があるのである。




3.譜面が無くても、ちゃんと記憶していて吹ける人は、音楽の芸術面の表現を

考えて出来る余裕のある人。




4.譜面が無くても、ちゃんと記憶していて吹けるだけではなく、今何のキーで、

コード進行も理解できている人。もしくは、他のキーに移動しても吹ける人。これ

はプロですな?

 クラシックの指揮者というのもすごい。あの複雑で長いいろいろなシンフォニー

をちゃんと記憶していて、思い出したら頭の中で音が鳴るという。指揮者同士の

会話でこういう話があって面白い。

A:やあ、こんにちは、Mr.B、ところで、あの****のシンフォニーの**

番の**楽章の中盤なのだけど、君だったらどう振るんだい?

B:ああ、少し待ってくれ、・・・・・今最初から思い出しているところだから・・

・あ、いけねぇ、1ページ多くめくったんで、音がつながらないや・・

A氏は、音で記憶しているので、順番に頭の中で再生が出来るが、B氏は

、楽譜を写真を撮ったように記憶してそれを心の中で見て音をイメージする

ので、譜めくりのミスも有るという話。(笑)


 楽器の演奏に性差はあるのかどうか、即興演奏は女性には向いていないの

か、というのも昔から興味が有るのだが、明らかにどちらにも優秀な人とそうで

ない人がいるけど、頭の使い方は違うようだ。


バラードを演奏するときの注意点は?
2003/4月21日

Q:バラードや歌物等をやる時の注意点を教えて下さい。

例えば、曲が GEORGIA ON MY MIND だとします。こういう曲でクドク

なったりしない為には?上記を意識しエッジがたつようにならない為

には?


こういう曲は聴き手側のイメージがかなり出来上がってたりしてかえ

って難しく感じるんですよね。  ↑

漫画(コミック)がTVでアニメではなく、実写版だったり仮にアニメでも

キャラと声が合ってないとか原作のイメージと違うとか例えるとこんな

感じでしょうか。又、吹き手側からするとバーでのBGMのようになっ

てしまい勝手に自分だけ気持ちよくなって達成感が出てしまわない

か等。どういう点に気を付け演奏してますか?ご教授願います。宜し

くお願いします。

A:バラードや歌物等をやる時の注意点ですね?できれば、あなた

が、アマチュアなのか、それともセミプロクラスなのか、学生なのかが

わかると答えやすいけど、まあ、一般的に答えることにしましょうか



 歌もの、バラードというのは、普通は歌詞が付いているものですよ

ね?その歌詞の世界をまず理解する必要は有るでしょう。曲が

GEORGIA ON MY MIND だとすれば、その GEORGIA という土地とそ

の自然、そこに住む人々への郷愁というものでしょうか?懐かしい、

暖かい、切ないものが表現できればいいと思います。聴いている人

の先入観と合わないとか、気にすることは無くて、本当に良い演奏だ

ったら、拍手は来ます。僕も、こんなことが有りました。

 六本木のレストランで松本先生秘伝のダニーボーイをバラッドで演

奏ししていると、がやがやしていて、何だ、みんな話ばっかりして聴い

てもいないなぁ・・・と思いながら、でも心を込めて演奏していました。

曲が終わると意外なことに、盛大な拍手を頂いたのです。

 あれは、やはり聴いていないようで聞いているんだな、どこで誰が

聴いているか解らないのだから、絶対に手抜きの演奏はしてはいけ

ないと肝に銘じ直しました。クドクなったりしない・・・とかエッジが立た

ないようにと言うのは、良くわかりません。くどいというか、色気は絶

対に必要だと思います。でもそれは一歩間違うと下品になってしまう

危険も秘めているんですね?逆に、あまりにもクリーンで清潔な演奏

というのは魅力もないと思います。良い意味で適度な下品さがないと

駄目だともいます。(そうすると自分は生まれつき、上品すぎるからな

あ、隠そうとしても、匂い立つこの育ちの良さ、適度な下品さを身に

つけるのにどんなに努力したことか・・・嘘)

 また、バラードなどでは、音自体の善し悪しもはっきり出ますので、

音自体が良いこと、曲を完全に自分のものにしていること(見ないで

吹けるのはもちろん、コード進行他も頭に入っていること)音符を吹く

のではなく、心を表現することでしょう、具体的には、のばした音の処

理(強弱、ビブラート)息継ぎをしてから、次の息継ぎまでの、ワンフ

レーズをどのように強弱、アーティキュレイションを割り振るかなどい

ろいろ考えるべきことは有ります。しょっちゅう録音して聴くのも良い

ですね?意外と思った通りに聞こえていない場合も多く、一般的には

思ったよりうんと大げさに表現しないと、その変化が聴いている人に

伝わらないと思います。ではこの辺で・・健闘を祈りますよ。


Q:アップテンポの曲を演奏できるようにするには?

その感覚を身につけるにはどうすれば?


A:レスターヤング(ts)は、モダンジャズの父と呼ばれるている偉大な人です。

彼のアップテンポの演奏を是非聞いてください。急速調でもとてもゆったり聞こ

えます。ヒントは、一拍一拍を感じて吹くのではなく、2分音符、全音符を一拍に

感じて吹いてみてください。世界が変わりますよ!

 松岡直也(ラテンピアノの第一人者)さんと村上・ポン太・秀一さん(ドラマー)

の対話を思い出すよ。これは本当に村上秀一さんから聞いた話。

松岡「おい、ぽん太、君は何小節までを一拍と感じることが出来る?」

村上「・・・・・しばらく考えてから・・・、そうだな、12小節までくらいなら、一拍と感

じることが出来ますよ」

松岡「な〜んだ、そんなもんか!」

村上「えっ?そういう松岡さんは、いったいどのくらいまでを一拍と感じることが

出来るというんですか?」

松岡「ぽん太、良く聞けよ、俺はな、一曲が一拍なんだよ」

村上「ギャフン、参りました」

大変危険な思想なので、よい子はまねしないように気をつけようね?Mr.K


Q:ライブの曲順などを決めるときには何か

ポリシーなどはお持ちですか?




A:やはりいつも事前にテンポごとに書き出した、曲目リストとにらめこしながら、

組み合わせて考えます。ジャズのライブだと、ミディアムの4ビートのスタンダー

ドナンバーで始める場合が多いです。僕の場合は、I hear rapsody から始める

と、具合がいいのでそうしています。

 いろいろな人のライブに行って思うことは、いくら素晴らしいオリジナルでも、知

らない曲というのは最初は、抵抗があるということです。なるべくたくさんの人が

知っていると考えられる曲をまず演奏し、それから徐々に自分たちが紹介した

い曲、自分たちの作品…という順に自分たちの世界に巻き込んでいく・・という

風に演奏するのがいいと思います。

 それから本番は練習ではないので、もし長めのソロをやりたいと思っても、こ

の長さではお客さんが飽きてしまうと判断した場合は、短くまとめるようにして

います。

 というよりも最近は、長いソロを聞かせるより、いい曲をたくさん聞かせたいと

いう気持ちの方が強いので、ソロは短めにして曲数を多くするように心がけて

います。短いソロでも、十分に言いたいことが言い切れるという自信が付いたこ

ともその要因です。もちろんお客さんの反応を見て、流れが変わったなと判断す

ると、曲順をどんどん変更することはしょっちゅうです。

 リクエストはなるべくやってあげるようにしています。リクエストされた曲の方が

、事前に準備していた曲より演奏の出来がよいことも多いのです。歌のない楽

器の演奏だけというのは、どんなに一流の人が塩素スケールしていても、やは

り一般の人には長時間はつらいので、曲間の MC では音楽のこと、日常のこと

、メンバーのことなどについて話して、お客様とコミュニケーションをとるように心

がけています。参考になったでしょうか?






日本とアメリカのジャズミュージシャンの違い
2003/8月29日
 
 日本のジャズミュージシャンというのは、ジャズクラブが日替わりで演奏者を変

えるので、いつも同じメンバーで演奏しているバンドは別として、どうしてもその

日集まったメンバーに譜面を渡して、それを読んで演奏してもらうということが多

い。簡単なだれでもやるスタンダードチューンならともかく、特に私の作るオリジ

ナル曲などは、普通に聞いているとわからないと思うが、小節が半端だったり、

行方が結構複雑だったりする。一般的にジャズミュージシャンは、ものすごく耳

の良い人が多いので、その場で聞いた音に反応して演奏するのが得意なのだ

が、複雑な曲を記憶したりするのはあまり得意でないタイプが多いのだ。その

点、アメリカのミュージシャンは、楽譜の読める人も多いが最終的に楽譜に頼っ

ていないのが凄い。というかそちらの方が本筋、正しいことだと思う。

以前ブルーノートで、スタンレータレンタイン(ts)のバンドを聞きに行ったときの

ことだが、確かトランペット奏者のブルー・ミッチェルの代役でランディ・ブレッカ

ーが参加していたが、話を聞くと代役が決まったのは2週間前、だけど彼を含

めて全曲だれも譜面を見てる人はいなかった。YELLOW jacketsのときは、あの

バンドはウェザーリポート張りの複雑なオリジナル曲を演奏するバンドなのでさ

すがに譜面を見ていたが、マーカス・ミラーのときは、かなり難しい楽曲ばかり

だったのにもかかわらず、やはりだれも譜面は見ていなかった。それよりもびっ

くりしたのは、キーボード奏者にまったくソロがなかったこと。サックス奏者やトラ

ンペット奏者を雇っているにもかかわらず、ソロは、マーカス(ベース、ベースク

ラリネット、ソプラノサックス)か、ギターのハイラム・ブロックのみだった。アメリ

カ人ってこういうところも徹底しているんだね?君は伴奏だけの契約で頼むよ…

てなことだろう。






レコードコピーについて
2003/9月30日

Q:ジャズの勉強法として、レコードコピーがあります。その具体的方法を教えて下さい

A:テナーでコピーをするのでしたら、お勧めの方法は、まず、コピー集を買って

きて、レコードと合わせて聞いてみることをお勧めします。私自身の経験から言

えば、ソニーロリンズ(初期、中期)、コルトレーン(初期)ジョー・ヘンダーソン、

ウエイン・ショーター(聞くだけ、フレーズの書取はしなかった)スタン・ゲッツ(同

じく聞くだけ)マイケル・ブレッカーは佐藤達哉監修のコピー集をよく練習した記

憶が有ります。

比較的音を聞き取りやすいのは、デクスター・ゴードン、ハンク・モブレー、ジョー

ジコールマン(マイルスとやっている頃の)など、そのあたりは、易しい方だと思

います。スティットは馬鹿テクなので、書き取るのは音が多くて大変かも知れま

せんが、理論的には大変わかりやすいと思います。

 コピーはとにかくやればやるほど、耳は良くなり早く書き取れますから、是非

挑戦してみてください。私は子供の頃から音を聞き取るのが好きでやっていまし

た。特にコード進行に興味が有りましたね?

 クラシックギターの通信教育を中学生の時に受講していたのもコード感、音感

を付けるのに役に立っていました。

 高校時代には、ジョンコルトレーン(ts)の演奏や、クリフォードブラウン(tp)のア

ルバム、スタディ・イン・ブラウンなどのトランペットパートのコピー、ピアノのマッ

コイタイナーのパートまで聞き取って楽譜を作り、文化祭で、メンバーに譜面を

渡して練習させ演奏しましたよ。あのころはまだビデオが無かったのですが、録

音を友人がしていたはずなので聞いてみたい気がします。17歳の時の演奏を・
・・

 音が聞き取れても、リズムを記述できないのが、最初の難関だと思いますね

?そこで、最初は市販のコピー集をよく見て、実際の音がどう記述されるのか

見るのがとても良い勉強になります。またピアノでコード理論など勉強していくと

、何をどうやっているのかが解ってきます。逆に、コピーから、その理論を割り出

していくというのは大変な作業です。

 私もジョー・ヘンダーソン、ウエイン・ショーター、スタン・ゲッツ、デクスター・ゴ

ードン、最近買ったジョシュア・レッドマン・・・などのコピー集が本棚で眠っていま

した。(汗)引っ張り出して眺めてみることから始めたいと思います。(笑い)

 でも今の時代は情報が溢れていて、幸せですね?昔は、何もなく、全て自分

でやったものです。また、私の師匠の松本英彦先生の時代は、戦後すぐで、ア

ナログレコード(SP 盤)が、何回も聞きすぎてすり減って、同じものを、もう一度

買いに行ったとか、新たらしいレコードはジャズ喫茶に、出かけていって聞いた

ものだとか、ネットで世界中の音が聞ける今とは大違いですね?

 アメリカのミュージシャンが来ると、日本中追いかけて、今のフレーズはどう吹

いたのかとか直接質問して勉強したそうです。でも世界中の才能のある音楽家

が良い条件で勉強できるようになった半面、さらに一流になるにはレベルが上

がってしまって大変になっているという状況は有ると思います。

 現在の日本のジャズミュージシャンの中堅、平成維新組と言われたバークリ

−帰りの連中が出現したときにも、20代でこんなにうまくて、俺たちが30代ま

でかかって達成したことを、こんなに早くできるとは?と驚いた記憶が有ります。


旋律学
 2003/10月6日


 Mr.K です。今日は音楽理論の勉強です。クラシックでも和声学と言う学問が

有りますが、それはコードの理論の事です。今日扱うのは、旋律学という分野で

、メロディメイキングのテクニックと言うことです。生徒間で、書きソロセッションな

るメーリングリストが存在して、皆でソロを書いて投稿して批評し合うと言うもの

なのです。他の教室ではこんなものは聞いたことが無いし、素晴らしいことです

。ですが、ガイドドーンラインというテクニックが、どうも正確に理解されていない

気がするので、掲示板上ですが、解説してみたいと思います。私の Play the

jazz sax にも解説しています。私の講座を受講している人や生徒には、中級の

5月目の内容の補足と言うことになります。たまたま覗いている人にとってもお

得な情報ですね?(笑い)

 まず前提として、12キーの音階、ダイアトニックコード、5度進行などの基本的

原理は理解しているものとして、話を進めていきます。

 ガイドドーンの定義:ガイドドーンとは、コードの特徴を表す音で、3和音4和音

を問わず、3度、7度そして変化した5度、そしてテンションノート(9,11,13な

ど)がそれに当たる。変化した5度とは、b5や#5など完全5度ではない5度の

ことである。そのコードの特徴を表す音をメロディ奏者が吹くと、すでにベースが

存在していると仮定して、コード感を出すことが出来る。例えば、G7 の時に、F 

を吹けば、すでに1,2オクターブ下でベースが G を鳴らしているので7度の感じ

が出て、ドミナント感が醸し出される。初心者は、コードのルートを吹くのが精一

杯だろうが、それはイモなのである。ルート以外の色のある音を吹かなくてはな

らない。



 ガイドドーンラインとは:その色のある音=ガイドドーンを横につなげていくの

が「ガイドドーンライン」なのであるが、勘違いしてはならないのが、それらの音

を使って「自由に創作していい」のではなく、規則に従って機械的に作らなくては

ならないのである。規則に従って機械的に作らなくては美しくないのである。そ

の辺が解っていない人が多いので、いつも生徒の作ったガイドドーンラインを見

るとがっかりすることが多い、わかっていない・・・・と。その規則を挙げてみよう。



1.トライトーンは解決の方向が決まっているので、必ずそう言う風に動かす。ド

ミナント7thの3度は半音上へ、7度は半音下へだ。G7 の時はシ→ド、ファ→ミ・

・・と言うこと。マイナーの場合は全音になる場合もある。

2.ガイドドーンラインは、なめらかに聞いていて気持ちよく作るべき、と言うこと

はなるべく動かないのがいいということ。同じ音、または半音がベストで、最大

に動いても短3度まで、不可能な場合は休符を置いて、新たなラインを開始する。

3.テンションノートを使う場合は、(9,11,13など)なるべくそのコード内で、度

数の低い基本コード音に戻す様に動かすと自然に解決した感じが美しい。#し

たテンションは上へ、bしたしたテンションは下へ動かすと自然である。

4.ガイドドーンラインは、直接接続(コードチェンジの時にメロディの終わりから

、次の始めへと)または間接接続(小節の頭の音をつなぐ方法)で使って良い。

また、ガイドドーンラインは、アドリブのラインをつなぐほか、編曲するときにバッ

クグラウンドでハーモニーを鳴らしたいときや、ピアノの、コードボイシングを横

につなげるときにも配慮すると、当然美しくつなげることが出来る。まずは画像

のラインを研究されたい。

スタンダードを20曲ぐらい、ラインを書いてそれをマイナスワンで吹いてからア

ドリブすると、絶対にコード感が向上しているのが感じ取れると思うので、是非

やってみてください。

 補足しておきたいのは、これはジャズの即興演奏をするための技法にすぎな

い・・・のでは無いと言うことです。バロック音楽から、バッハ、ベートーベン、モー

ツァルト、ショパンから延々と連なるヨーロッパクラシック音楽、それを土台にし

た、アメリカのミュージカル、ゴスペル、ブルース、ロック、ポップスと呼ばれるあ

らゆる調性を伴う現在世界中で聞かれている音楽一般について言える原則だ

と言うことです。事に、ジャズのインプロビゼーションのラインとバッハの類似性

や現代のジャズピアノスタイルに与えたモーツァルト、ショパンのコード、ボイシ

ングなどの類似性は指摘されるところです。

 私も子供の頃、バロック音楽が好きで、NHKの早朝にやっていた「バロック音

楽の楽しみ」という番組をずっと聞いていました。その頃耳で聞き取ってそらで

歌っていたメロディに今なら、ここはドリアモード、ここはナチュラルマイナー、こ

の音はアプローチノート、という風に分析、説明が出来る気がします。ジャズの

和声、旋律を学ぶことは、音楽の構造、創作の秘密を学ぶことなのだと思いま

す。私と同い年の永坂君が漏らしていましたが、マイナースケールが難しいと思

っていて、ジャズのスケールは難しいと思っていたら、小林亜星の作曲のし方と

いう本を買って読んでみたら、ナチュラル、ハーモニック、メロディックの3種の音

階が載っていて、「何だ、菊地先生のテキストは難しい、ジャズ理論は難しい・・・

と思っていたけど、言っていたことは、音楽全般に通用する知識だったのだと驚

くと共に、その有用性を実感した」という感想を述べていたのを思い出します。


フィンガーソルフェージ
2004/2月11日

 さて、サックス、フルートがうまくなるには、もっと効果的な指導法は?と何年も

生徒を指導しながら模索してきたわけですが、最近思いついたことをふたつ述

べてみたいと思います。

音楽の要素として、音高活動、リズム活動という風に分けられると思いますが、音高活動とは、楽器の場合まず

1.音の高さを認識する。

2.その音の高さに割り振った音の名前(ドレミ)を思い出してイメージする、

または歌う。

3.その音の高さに割り振った鍵盤またはキーを押す、管楽器の場合はさらに

口、あご、舌等からその音に最適なアンブシュァ、ポジションに移動すること。



ということになると思います。2.の、その音の高さに割り振った音の名前…につ

いてですが、これにはふたつのやり方があります。

 ひとつは固定ドと呼ばれ通常はC=ドということですべての音をそこから割り振っていく方法です。このやり方は、長所としては読譜には便利ということ、

転調しても同じ読み方でいけるということ、短所は#、♭が増えるほど難しくな

るということ、最大の欠点は音楽に最も大切な調性(いま何調かということ)を把

握しなくても読譜ができるということ、したがってちゃんと譜面通り演奏できても、

いま何の調なのかを把握してない人が多いです。これは即興演奏や作曲をや

ろうという人間にとっては致命的です。

 今ひとつは移動ドと呼ばれる方法で、私はおもにこの方法でやっており、とて

も便利なので生徒にも推奨しています。長所は、どのキーに行ってC=ドのとき

にやったことを、同じ読み方で移動するだけなので、コード進行の力学を理解し

やすい。習得するのにはおびただしい練習時間が必要とされるが、徹底的にマ

スターしてしまえば怖いものなしです。欠点は、繰り返しになりますが、固定ドの

12倍の練習量が必要であり、頻繁に転調する場合は、読み方をどんどん変え

る必要があるということです。

 最近の日本の音楽教育では嘆かわしいことに、移動ドのできる音楽教師が激

減しており、現在40歳より若い人たちでは、できる人がほとんどいなくなってし

まいました。こういう音感の訓練は外国語を覚えるのと同じなので子供のうちに

やってしまうのが最上なのですが、頭を柔軟にすることを心がければ成人して

からでも不可能ではありません。移動ドのメカニズムを直感的に理解する面白

いゲームを考えてみましたのでぜひやってみてください。左の図は、左手の5本

の指です。下から親指、人差し指、中指、薬指、小指…という風に並んでいます

。上に振ってある番号はその下にある音を縦に見てください。

 たとえば1番だと、下から↑ドレミファ

↓ソファミレド… という風に歌った音と

同時に右手の人差し指でタッチします

。(右の図)歌いながら親指から小指へ

そして親指へ戻って来て見てください。


少しでも音楽の訓練をしたことのある人は簡単なことですね?今度はドミレファ

ミソ・・・という風に動いて見てください。3度のパターンと言われているパターン

です。詳しく言うと、ふたつ上がってひとつ下がりふたつ上がってひとつ下がり・

・この繰り返しです。下がるときは上から、↓ソミファレミド・・という風になります

ね。音程はなるべく正確に歌ってください。頭のなかで、ド=親指、レ=人差し

指・・・という割り振りがきちんとできていれば、どのように動いても、1.音の高さ

、2.ドレミ、3.指・・の三つが完全に一致するはずです。そう、勘のよい人は気が

つきました。これは楽器を演奏するときのメカニズムと全く同じなのです。このゲ

ームをすることによって、楽器の演奏に必要な脳のある部分を活性化すること

ができるのではないでしょうか。

 さて続きです。今度は2の列を見てくださ

い。これはC Maj のコード分散ですね?

やはり親指の方から↑ドミソドミ↓ドソミド

という風になります。これは和音の展開型

を練習するときの脳の働きをトレーニング

することができます。ドミソ(親指、人差し指、中指)、ミソド(人差し指、中指、薬

指)、ソドミ(中指、薬指、小指)という風に一つずつ上がっていきます。どうです

か?ドミソだけではなく、ソシレファ(G7)という音に割り振っても可能ですね?指

が足りなかったらそこいらにいる人に指を貸してもらいましょう。(笑)

 今度は3列を見てください。今度はドレミの割り振りを一つずらしました。人差

し指がドになっても何の問題もないですね?ここでよおく考えてみて下さい。サッ

クスやフルートでも、今までファだった音をドに読み替えでも、今やっているこの

指のゲームと同じではないでしょうか?そこがドであるという風に思うことができ

れば、その他の音はそこから順番にレミファソ・・・という風に覚えていけば良い

わけです。これで移動読みはやりたいのだけど、今までC=ドでやってきたので

、どうしても頭に入らない…という人のできない理由がなくなってしまいました。(

笑い)

 人間の脳はとても実は柔軟で、「僕は長年日本語しかしゃべったことはないの

で、どんなに勉強しても、外国語は一切理解できないし話せません…」という人

はいないように、今まで固定度だったからといって、移動ド読みができないとい

う理由にはならないのがわかると思います。中指や薬指にドの音を割り振った

ようF=ド、G=ドから、音階、3度、3和音、簡単なメロディーの移調…という風

に練習を始めて見てください。音程感覚を鍛えていったら、その先にあるのはコ

ード感覚です。コード感覚を鍛えるのには、展開型を正確に歌える必要があり

ます。このフィンガーソルフェージ(たった今私がそう命名しました)はその時強

力な武器になるはずです。